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課題図書について考えよう

吉祥寺本校

6月に入り、いよいよ期末テストや夏休みの準備などが頭をよぎる時期となってきました。

今回は、読書について少し考えてみたいと思います。

「うちの子漫画ばっかり読んで、全然本を読まないんです。」という、悩み・相談をよく受けることがあります。

そもそも物語や課題図書などはOKで、漫画はなぜNGなのでしょうか。

 

活字にあふれる物語を読む、いわゆる本が好きな子は国語ができて、本がきらいな子は国語が苦手だとよくいわれていますが、実は「本を読むのが好き」が必ずしも「国語が得意」ということと結びつくわけではありません。

たしかに、本を読む習慣がついている子は、本を読まない子と比べて文章を読むスピードが速いというメリットが生まれますので、そういう点では本を読んだほうが国語の勉強をするとき有利になることがあるとはいえそうです。

しかし、「本を読む」習慣がもたらす本当の学習効果というのはもっと別のところにあります。

物語を読むことで、子どもたちに最もいい影響をもたらすのは「想像(創造)力」です。例えば、「雲」という単語が文章に登場したとき、それまでのストーリーから読み手側がどんな雲か想像しながら読みすすめるわけです。小さな雲を想像する子もいれば、今にもどしゃぶりの雨をもたらすような雲を想像する子もいるでしょう。前後のストーリーが激しく、暗いイメージのものであれば、それに合わせて台風のような雲を想像するかもしれません。漫画のように視覚化されていないので、ストーリーを読むごとに無限の想像力が働くわけです。しかも、同じ文章を読んでも、読んでいるときの気分によってまた違った印象になるのも物語を読むうえでは大事な要素です。

漫画だと、すべて視覚化されているので、なかなかこの想像力を養うのが難しいです。

また、当然知識の蓄えにも一役買うことになります。入試問題の難しい問題を初見で突破しようとするとなかなか難しいものがあります。しかし、入試を迎えるまでにいろんな物語や論説文を読んでいると、知識のバックボーンが出来上がります。例えば、高齢化社会について論じられた論説文を読んだことがあれば、知識として高齢化社会にはどんな問題点があり、その解決策として期待されている政策にはどんなものがあるのかなどを知っている状態で入試問題の問題を見ることができます。そうすると、難しいこと書いているけど、結局あのことを述べているのだな・・と過去の知識が助けになって論じていることを咀嚼しながら初見の問題でも読み解ける可能性が出てくるわけです。

読書読みと国語読みは異なるところがまた国語を難しくする要因ですが、それでも本を読むということには上記のようなメリットがあるわけです。ちなみに漫画は「集中力を養う」ことができるといわれていますので、漫画を読むことにもメリットがあるようです。

さて、この夏、皆さんはどのような読書に挑戦しますか?

By理系の稲実(いなどん)でした。

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