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「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)(案)」の骨子について①

武蔵境教室

ここのところ、教務課としての発信が疎かになっていたので、久しぶりにらしいものを書きましょう。
教務部長をしております、武蔵野進学セミナー・武蔵境教室の沼尻です。

今月の22日、東京都教育委員会報道資料に「「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)(案)」の骨子について」「《御意見募集》」というタイトルの資料が挙がりました。
その概要をまとめてみたいと思います。
「都教育委員会は、生徒の多様化や急激な生徒数の減少等に対応するため、平成9年9月に、都立高校の改革に関する総合的な計画である都立高校改革推進計画を策定しました。
これに基づいて、2次にわたる実施計画(第一次実施計画(平成9年9月)、第二次実施計画(平成 11 年 10 月))と、その後の社会状況の変化や教育への都民の期待の高まり等を踏まえた、都立高校改革推進計画・新たな実施計画(平成 14 年 10 月)を策定し、一人一人の生徒の多様性に対応した弾力的な教育を実施してきました。
これらの取組により、都立高校の生徒の中途退学率の低下や大学等への進学実績の向上、都立高校の入学者選抜の応募倍率の回復等の成果を挙げてきました。」(資料より引用)
私が塾講師を始めた当時は、都立高校なんて合格するのが当たり前という時代でした。
群制度、グループ制度と時代によって受験制度は変わっていきましたが、一部の人気高以外は実質倍率1.1倍をこえることはほとんどありませんでした。
ところが、石原都知事によるこの都立改革以降“都立の復権”が囁かれ始め、日比谷・西などの上位校は国立・私立上位校よりも高い人気を誇る現状にまで至ったわけです。
東京都の今のところの取り組みは素晴らしいと思いますが、今後についてはどうなのでしょうか。

東京都教育委員会の解答がこれです。
「Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
1 社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成
私が注目したのは、
「文章を読み解くための読解力をはじめとした学びの基盤となる力を、全ての生徒が身に付けることができるよう、「読解力」ワーキンググループと「自ら学ぶ力」ワーキンググループからなるプロジェクトチームを設置し、①学びの現状の把握、②つまずきの原因分析、③対応策の研究、④学習プログラムの開発を行うとともに、研究協力校における実践研究を推進します。 」(資料より引用)
小学校で英語なんてやってる場合じゃないだろう…なんて話が、私たちの教室ではよく聞かれます。
それほど、当教室に通ってくれている小中学生の日本語語彙力・文法力が低いんですね。
語彙量は、その人の世界の大きさと比例します。
なぜなら、人間が認識できるものは言語で表現されるものだけだからです。
語り尽くされたことですが、「戒める」「諫める」「窘める」「怒る」という言葉の持つニュアンスの違いが理解できなければ、相手のことを思った「窘め」もすべて「怒られた」ことになってしまうわけです。
資料中の「基礎となる力」とは、そこらへんを指しているのではないかと思い、家庭での学習の限界を感じている私にとっては、公教育によるフォローを期待せざるを得ないだけに、大きな期待を抱いてしまいます。

概要資料にある「「理数科」の設置 理数系の素養と情報活用能力等を併せもつ人材の育成のため、都立初の「理数科」の設置を検討」も注目です。
平成34年度から立川高校に設置予定とのことですが、同校はここのところ実績が出ておらず、重点高の指定から外れるのではないかとまで言われていますし、理系の生徒が伸び悩んでいることともからめても、どちらの点からでも望ましいと思います。

予想外に長くなりそうなので、また続きます…

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