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敵に塩③

新川教室

こんにちは

麻生です。

今日も「敵に塩」・・・3回目。

またかよ・・・って思わないでくださいね。

その後の話があるんです。

先週で「敵に塩を送る」って諺の意味はだいたいわかってもらえたでしょう。

まあ、普段は仲が悪くても、困ったときは助けてあげようね!って感じでしょうか。

私は子供の頃、「敵に塩」って聞いてたもんで、「送る」って言葉がなかったから、

てっきり、「敵が傷をおったときには、もっと苦しめるために、傷に塩をぬってしまおう。」

って意味だと思っていました。

まあ、よくある話です。

そんなことを言いたいのではないのです。

じゃあ何かって・・・?

あのですね、信玄、その後、急に持病が悪化してあっという間に死んでしまうのです。

だからどうしたって?

その前に・・・

信玄は謙信が大っ嫌いだったはずです。

なぜって、信玄がいくさで勝ちまくって順調に領土を広げていると、

いつもきまって謙信がじゃまをするからです。

普通の相手だったら、当時最強と言われた騎馬隊を使ってやっつけてしまえばよいのですが、

謙信ったら・・・強い!なっかなか勝てない!

それどころか、せっかくとった領土を奪い返されてしまったり・・・。

信玄が謙信に直接けんかを仕掛けたことはないのに、いっつも破った相手が謙信に助けを求めて・・・

それで謙信が「信玄!お前、調子に乗ってんじゃ~ね~よ!」ってな具合に・・・。

信玄からしたら、「オレっていつも悪者!謙信、いっつもかっこいいところもっていきやがって!

そもそもアイツ、天下取る気なんて全然ないって言ってるくせに!なんなんだよ!

なんであんなに強いの?アイツさえいなければ、オレが天下取れるのに!

謙信のバ~カバ~カバ~カ!!」って感じでしょう。

あの有名な川中島の戦いだって、12年間にもわたって5回も戦って・・・、4回目なんかは、

信玄が負けそうになり、功をあせった謙信が、自らとどめをさしてやろうって、

馬に乗って敵をなぎ倒し、とうとう信玄に馬上から直接きりかかった!

信玄が冷静にこれを交わし、そのまま謙信が走り去ったって・・・。

これ、超有名な話ですが、やっぱりここでも謙信がかっこいい・・・。

まあ、これは伝説で、本当かはわからないそうです。

そもそも大将がこんな命がけの行動をするなんてありえないそうです。

そりゃそうでしょ、もし大将がいくさで命を奪われたとなったら、

その国はもうおしまいになるかもしれないんだから、

家臣が命がけで止めるに決まっているんです。

確かに、謙信、若いころは相当無茶なことをして、

家臣を相当困らせたこともあったようですが・・・。

「敵に塩」だって、川中島の戦いの後の話です。

信玄としたら、助かったけど・・・またもや謙信にしてやられた!

って複雑な気持ちだったんではないでしょうか。

ちゃんとお金をもらったんだから、ただのお金儲けじゃん!っていわれることもあるそうですが、

だったら弱みに付け込んで、価格をつりあげるはずなんです。

そういう世だったのだから・・・。

それをしないで普通の価格で売った。

というより、私が考えるに・・・

謙信は商才にもたけていて、貿易業で相当儲けている富豪大名だったんです。

領民もそれでずいぶん助けられていました。

だから、ここは恩を売るため、ただであげてもよかった・・・。

でも、そうすると信玄のプライドを傷つけてしまう・・・

って考えて、あえて普通の価格で売った・・・。

謙信って、やっぱりかっこいい・・・って、

さすがに、これは謙信に肩いれしすぎでしょうかね。

で・・・、話を信玄の死の間際に戻します。

いよいよかってときに、信玄は跡継ぎの勝頼を呼び、

枕元に座らせ、こう話します。

「オレ、もうすぐ死ぬ。

こんなに急だと思ってなかったから、ごめん、オレ、お前に

この戦乱の世を生き抜くコツをほとんど教えていない。

オレが死んだら、必ずこれがチャンスだと攻めてくる相手がいる。

心配でならないが、もう遅い。

で・・・勝頼、今から言うことを決して忘れるな。

困ったときは、謙信を頼れ!

アイツは裏切らない。

このオレが信頼できる唯一の人間が謙信だ。

いいな、後は頼んだぞ。」

実際、勝頼が謙信を頼ったかはわかりませんが、

その後、10年とたたないうちに、武田家は織田信長によって

滅ぼされてしまいます。

切ない話ですが、謙信って人間のすごさがにじみ出ていると思うんです。

あともう少し話します。

謙信ですが、信玄の死の5年後にこの世を去ります。

謙信の死は、信玄より急でした。

この人、極端な小食だったんです。

謙信は越後、今の新潟県の大名でした。

今もそうですが、当時も米どころ。

お米がとれると・・・そう、日本酒です。

ちょうどそのころ、お酒造りに画期的な方法が開発されて、

格段においしく、大量に作ることができるようになった。

今の清酒ってやつです。あの無色透明なやつ。

その前はにごり酒が普通でした。

しかも、今のにごり酒とちがって味が今ひとつよくない・・・。

この酒うんま!!

で・・・、謙信、ご飯はほとんど口にせず、

お酒ばっかり飲んでいたのです。

しかも、おつまみは梅干しとか塩とかばかり・・・。

塩分過多・・・、体にいいわけがないんです。

塩分をとりすぎると・・・高血圧・・・、

当時はそんな医学的常識があったかはわかりませんが、

謙信は相当高血圧の人だったみたいです。

ずっとそれで何十年。

ある日の冬の夜、新潟なんて特に寒い・・・、おトイレに行ったのです。

急に寒いと血管が急に収縮する・・・そうとうな高血圧・・・。

次の日の朝、廊下で倒れていて、もう冷たくなっていたそうです。

昨日まで元気でした。

その後の研究で、死因は脳の血管の異常だとわかりました。

やっぱり・・・。

それにしても、塩を送って伝説をつくった男が、塩が原因で

命を落とす・・・。

なんか皮肉ものですね。

この話はこれでおしまい。

長かった・・・。

私としてはがんばりすぎました。

だから、来週からちょっと手を抜こうかと思っています。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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