NEVER★EVER♪
こんにちは。
武蔵野進学セミナー吉祥寺教室の打江です。
※長編ですのでお時間がございますときにお付き合いくださいませ※
♪We Are Never Ever Getting Back Together♪
21世紀の歌姫『Taylor Swift』が歌っています。
『縒り(より)を戻す』や『運命の赤い糸』など、
男女の関係を『糸』で表すのは日本語ならではの情緒。
流石に英語では『糸』(thread)を用いてこのような表現をすることはありませんが、
それぞれの言語がもつ豊かさに触れるのは、季節柄たいへん味わい深いものです。
少し前のことになりますが。
帰省をした際、およそ10年ぶりの訪問になるであろうレストランで、
お食事のみならず忘れることのできない大切な経験を”味わい”ました。
そこは自宅から車で約1時間離れた信州、『黒姫』という高原にあります。
夜になりますと目的地へ向かう山道は、
まるで事件潜む”火サス”の世界、肌寒くお先真っ暗。
到着間際に突然、山小屋にも似たオレンジ色の灯りがポッと出現。
冷たく”漆黒”の『現世界』から、温かで”光”が迎える『異世界』へと入って参ります。
私は瞬きした瞬間、『おとぎの世界』に迷い込んだかの不思議な感覚に。
レストラン建物外観は外国風のどっしりとした店構えで、
店内は無限の空のように天井高く、この上ないほどの開放&解放感!
こちらのお店は、イタリアで修業を積まれた素朴で寡黙なご主人と、
彼を支える輝く笑顔が美しい奥様で切り盛りされており、
この空間の雰囲気をさらに、この上なく心地良いものにしてくださります。
実はこの日、かなり早く着いてしまった私たちは、
予約の時間まで近くの『野尻湖』に立ち寄ることにしました。
私にとって『野尻湖』には、幼少期から特別な思い出がたくさんありまして。
車を止め、10分ほどその霧がかった幻想的な水面と、映り輝く水光を眺めましたときには、
とりわけ何を思い出すわけでもないのに、胸がキュ~ンジーンと熱くなりました。
これがいわゆる『郷愁』というものなのか、小さい秋の訪れを同時に感じながら。
この時点ですでに気持ちがMAX近くにまで高まった状態での、レストラン到着。
「お元気でしたか!?」
ご夫婦揃っての、柔らかく温かい笑顔でのお出迎え。
たいへんありがたいことに、
私たち家族のことや、10年前いつも決まって注文していたお料理が何であったかを、
お二人は鮮明に覚えていてくださりました。
お料理はどれも至ってシンプルなのですが、
一般家庭では、NEVER★EVER決して作ることができないであろうものばかり。
素敵なお皿にのせられたお料理がテーブルに運ばれてくるまでのワクワク感、
一つひとつがとても丁寧に心を込めて作られていると視覚嗅覚にもわかる安心感、
このような全ての感動をも超える『異世界』級のお味、満足感( *´艸`)♡
まさに静かな店内にまで、あの『おとぎの世界』が続いているではありませんか!
車で自宅を出発してからの道中~待ち時間~お食事のひととき~
ある一連の”物語”の1ページを自ら綴っているような、そんな不思議な感覚に、
私は再び陥るのです。
さて、感無量の再訪。
コロナ禍もあり、この10年間で何が変わっただろう。
その記憶を辿れば、
おめかしをしてこちらでのお時間を何よりも楽しみにしていた祖母は、数年前に他界しました。
玄関入口まで何の不自由もなく、一人で何段もの階段を上がることのできた父は、
一度は危篤状態になった体験もあり、私たちの支えがないとそれを上ることができなくなりました。
いつも元気印の母も、昔と比べますと背中が少し小さくなったような気がします。
わたしは・・・。
その日は私が”ごちそう”する約束をしておりましたから、
帰り際、レジのところでご夫婦にお礼を伝え、少し会話を交わしました。
ひとこと、ふたことの短いやり取りでしたが、
10年という長い年月を隔てても以前と変わらず、
お二人が私たち(ほかのお客様も)のことを心の底から気遣ってくださることに、
ここでまさかの突然!私の声は嬉しさで震え、涙が流れそうになりました( ノ◎`)/
「また、参ります。」こう言葉にするのが精一杯。
長い年月は、自分たちが置かれた状況や、取り巻く環境を変えることがあります。
無情にも、
そうなってほしい、ほしくないに一切関係なく、そうならざるを得ない運命もあるでしょう。
しかし、この充実感溢れる再訪の日、
試練を含むどんなに長い年月でも『決して』変えることのできないものがあることに気づきました。
『人の心の温かさ』
これだけは無常ではないのであり、誰にも何にも変えることのできない”温光”。
NEVER★EVER
それを感じ、できることなら持てるようにしよう♪
そう決意して、私は幸せな気持ちを抱え『おとぎの世界』をあとにしたのでした。
再び、温かい希望の光潜む、素晴らしき”漆黒”の『現世界』へと。
黒姫高原『おとぎの世界』を”味わいたい”方は打江まで。
それではごきげんよう。