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2019都立入試分析~国語

吉祥寺本校

武蔵野進学セミナー・吉祥寺本校の沼尻です。
今日は教務部長としてのブログを書きますので、都立入試に興味のある方に読んでいただければ幸いです。
ちなみにムサシンでは、全教室で都立入試が終わった後で自己採点会を行っており、正答率などの言及はそれに基づいたものです。

大問1・2【漢字の読み書き】
読みは問題なし。今までにきちんと勉強してきていれば全問正解は当たり前か。
書きでは、「拡張」を「拡長」というよくある間違いがいた。
“これをやるなよ”と言い続けてきたことをやっているのには頭を抱えてしまう。
80%以上が及第点なので、まぁ全教室とも問題なし。

大問3【小説文】
問1・2・3・5はお約束の問題なので、解法を身につけていれば簡単でした。
ただし、3は今までの直喩ではなくて隠喩だったため不正解者が多くでてしまった。
全教室ともここが最も正答率が低くなっているため、表現技法の徹底が来年度の必須となる。
4は傍線内や近辺に馬淵の様子はなく、直前の男の言葉「庭木として最適」が解答とイコールになるところがちょいお約束外だが、まぁ簡単。

大問4【論説文】
すべてお約束の問題だが、やはり問3段落構成のできが悪い。
12段落は例示であることが明白であるが、複数のア、対照的のウの不正解が数名ずついた。
最も正答率の低い4だが、2行前の「知識や記憶を探索」がキーワードになるため一発だと思うのだが…他教室もここが最も正答率が低くなっているのはなぜなのか部会でこういった設問の教え方を皆さんに聞いてみたいものである。

大問5【融合文】
問1「花の宴」をキーワードにしてイでの不正解が数名…まぁ仕方ないかな
問2・3発言の特徴・意図問題は例年、正答率が最も低い問題。
2は、後ろをきちんと読んでいれば「豪華」「自分のこと」「苦しい」などのキーワードを発見できるが、それを選択肢「華やか」「心乱される」につなげられない。
語彙力不足が正答率の低さにつながるという典型的な問題ですね。
「言葉の意味がわからないからこれにした」とか、反対の「選ばなかった」というケースが多いですね。
一方3は、文末「か」から「尋ねる」のウ・エの二択にできる分、簡単かな。
4・5は絶対に間違えてはいけないものなので、この正答率は当然か。

【総論】
大問ごとの正答率グラフは、例年、大問3が高くて大問4・5と右肩下がりになっていくものだが、今年は大問3がへこんで大問4が上がるという特殊な形となった。
上記のように、ここのところ直喩しか出ていなかった表現技法に慣れてしまったり、問4のように今までの都立とは作問のアプローチが変わってしまったりしたとき、すぐに対応できなかったことが要因としてあげられるだろう。
私は常々、“都立受験だから都立の過去問だけやっていればいい”というのではなく、ある程度のレベル、せめて自分が併願で受験する高校の過去問レベルの問題は解き慣れておく必要があると言っている。
確かに都立の設問は「お約束」だらけなので、得点力を上げるためにはひたすら演習も大事だが、そればかりだと今年のように対応できなくなってしまうからだ。
今年はこの反省を活かせるよう、指導に注力したいと思う。

2016年9月以前のブログはこちら

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