What For?
こんにちは。
武蔵野進学セミナー吉祥寺教室の打江です。
みなさんは、心を『無』にする”何か”をお持ちですか。
没頭できる趣味、いいですね。
お友達とワイワイおしゃべりをして楽しく過ごすのもいいでしょう。
思い切りスポーツや芸術に打ち込むのも気持ちがいいものです。
私にとってのそれは、”写経”。
以前のブログで紹介したことがあるかもしれませんが、
おそらくみなさんがイメージされる”本当の写経”とはだいぶ異なります。
ただひたすらに、昔のお料理名だけを書く”それ”です。
この取り組みにあたり、その内容は洗練されたお洒落なお料理であってはいけません。
いかにお料理を美しく綺麗に見せるかなどという、スキャンダラスではいけないのです。
オリーブオイルやブラックペッパーを2メートルもの高さからかける、
そんなドラマティックさも必要ありません。
地味がいいのです。暗ければ暗いほどいいのです。”陰気”であればなお良し。
私のこの、秘密ノートを見たことがある人はほんの一握り。
暗すぎて。陰気すぎて。
ある友人に言われます。
” What For ? ”
私にとって、これには目的も目標も何もありません。
もしそれらを持ってしまったら、”写経”に心底没頭することはできないでしょう。
しかし、ただ惰性かのように続けているこの”写経”の中にも、
20年以上継続していると色々な事実が見出されてきます。
特に昭和初期から平成初期の時代にかけては・・・
・限られた食材だからこそなされる工夫やユニークなお料理名とそれに伴う愛情
・バブル期のやり過ぎなまでの(ちょっと)ダサいゴージャス演出
・女性の社会進出による「時短」の始まり⇒電子レンジやオーブン、冷凍食品の出現
・お料理だけへの焦点からお料理家さんにもスポットライトが・・・
まさにそこには、お料理界の壮大な歴史が綴られているのです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、
その”ロマン”に感無量になり、ふと気づけば自分の目頭が熱くなっていることもあるほど。
我ながらびっくりします!
日本史や世界史に興味がある人がいるように、
私は約1世紀にわたるお料理という歴史の世界に無意識にのめり込み、
その感覚をこの上なく心地よいと思っているのです。
とはいえ、それを知ったからといってやはり
” What For? ”
何もありません。
それでいいのです。
ただ静かに座り、静かに呼吸をして”写経”に没頭する。
ときに集中しすぎて息をしていないことも。
至福。
本日は私の”写経”についてご紹介いたしました。
生徒のみなさんは、遠い先に目標を、日々目的を持って学習に取り組むようにしましょうね。
それではごきげんよう。