モーリタニアびとはバゲットサンドイッチを食す。
こんにちは。
武蔵野進学セミナー武蔵小金井教室の川原です。
最近読んでみて、おもしろかった一冊を紹介します。
『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎/光文社新書)
内容が、海外の研究生活の経験、そしてそれがフランス語圏であることに、熱い共感を覚えました。
出口(就職先)の見えない日本での研究生活の苦悩を
ユーモアたっぷりにさらっと書いてみたりするところや、
海外の「お役所仕事」の非効率さとの直面、
バゲットサンドイッチにコーラ、
中華のおともに青島ビール。
わたしにとっては、なつかしさを喚起するフランス語文化圏の風景。
それとともに、「うんうん」と頷く圧倒的なおもしろさを、わたしは感じたのでした。
筆者はフランス語を使えず、相棒のティジャニは英語がわからない。
そんなふたりの間で、カタコト同士の英語とフランス語をごちゃまぜにした
「新しいことば」
を創り出していくところは、
抱腹絶倒、感動を覚えました。
海外留学ものでは、中島義道『ウィーン愛憎』を読んだことが懐かしく思い出されますが、
お話しがまとう色合いがぜんぜん違って、楽しめます。
さまざまな理系研究者に取材・インタヴューした
『理系という生き方: 東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか 』(ポプラ新書)
は、ノーベル賞受賞者を含む、理系研究者の実際の人生経験が、将来を考えるうえでいろいろと教えてくれる一冊。
素粒子物理学の最前線にたって、世界最高峰の粒子加速器の実験にたずさわる著者が、
高校生(中央大学杉並高校)に語った
『すごい実験 ― 高校生にもわかる素粒子物理の最前線』
(イースト・プレス)
も、おすすめです。