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The Answer is is.

新川教室

こんばんは。新川教室の吉田です。

 

「あなたにとって、ヒーローは誰ですか?」

唐突にこんな質問をされたら、みなさんどう答えるでしょうか。

 

歴史をつくった英雄。

国を動かした革命家。

人間の可能性を押し広げた芸術家。

スポーツ界のスーパーアスリート。

芸能界のスター。

憧れの先輩。

一周して、父親。

 

などなど。

文字通り、十人十色の答えがあるかと思います。

 

ヒーロー。

その響きでパッと頭に浮かぶのは、僕の場合『キン肉マン』です。

小学生のとき、近所のお兄さんにもらったコミックの13巻。

そのお兄さんが、どういうわけでキン肉マンの13巻だけを僕にくれたのか、

その動機やいきさつはまったく覚えていませんが、

生まれて初めて読んだ「漫画」の面白さに夢中になったのはよく覚えています。

そこからキン肉マンのコミックを集め始め、

普段はどじで、ひょうきんで、お茶らけているのに、

いざとなると強く、優しく、カッコいい──

そんなキャラクターにすっかり魅せられ、

気づけばキン肉マンの学習デスクが部屋のど真ん中を占有しておりました。

 

ヒーロー。

なぜこんなことを考えたのかというと、

『君の名は。』の音楽を担当し、

一躍国民的アーティストへと駆け上ったRADWIMPSの、

『週刊少年ジャンプ』という曲を聴いたからなのです。

その曲に、こんな一節があります。

 

  机は窓際 君の隣

  遅刻と罰掃除と居眠り

  だってヒーローは、そうじゃなくちゃって

 

ああ、確かにそうだ……と思いました。

これは少年が思い描くヒーロー像のステレオタイプだと。

ヒーローは常にカッコいいわけではなく、

普段はだらしなくて、とぼけているけど、決めるときは決める。

だからこそカッコいいのだと。

 

キン肉スグル、孫悟空、冴羽遼、

浦飯幽助、桜木花道、緋村剣心、

モンキー・D・ルフィ、うずまきナルト、進藤ヒカル……

一世を風靡した “週刊少年ジャンプ” 漫画の主人公たちは、

たいていそのような良い意味でのギャップを持っています。

 

つまり、極論、ヒーローになる奴は、普段からしっかりしていてはいけない。

仲間のピンチや、世界が危機に直面しているとき以外は、

徹底してダメな奴であるべきなのです。

 

 

ここでふと思いました。

 

  だってヒーローは、そうじゃなくちゃって

 

この部分を英語にしたらどうなるだろうと。

 

① That’s because a hero must be like that.

② That’s because a hero has to be like that.

③ That’s because a hero should be like that.

 

①は、強い義務感を感じますよね。ヒーローって義務なのでしょうか?

②は、そうじゃないと何かと都合が悪いんだよ、別にしたくてそうしてるわけじゃないんだけどねっていう、ビジネスライク感が出ていますね。なんかヒーローっていう職業があるみたいな気がしちゃう。まあ現在ジャンプの看板漫画の1つである『僕のヒーローアカデミア』では、完全にヒーローは職業ですけれど。

③は、他にも可能性はあるけど、きっとこうあるべきなんだよねっていう迷いが含まれていますね。ヒーローはときに迷うものですが、しかし、ヒーローであることそれ自体に迷うことはないでしょう。

 

うーん。どれもピンと来ません。

ヒーローは、義務でも職業でも疑念でもないからです。

 

ヒーロー。

松本大洋の『ピンポン』という漫画を思い出しました。

アニメ化も実写映画化もされた名作です。

「ヒーローとは何か」を描いた卓球漫画です。

そのアニメを久しぶりに見返して、1つの結論を得ました。

「ヒーローとはなるべくしてなるのではなく、あるべくしてあるのだ」と。

とすれば、先の疑問の解答はこうです。

 

That’s because a hero is like that.

 

助動詞など要らなかったんですね。

だってヒーローって、そういうものだから──

でよかったわけです。

 

うーん、すっきり。

これで今夜はぐっすり眠れそうです。

どうせならヒーローになって、世界を救う夢でも見るとしましょうか。

うん。

おやすみなさい。

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