「あいだ」を埋める、歴史文学5作品。
ものぐさ、遅読の自分にしてはめずらしく、
文系・理系、小説、実用書のジャンルを問わず、
ここ3ヶ月で30冊くらい、本を読みました。
こんにちは。
武蔵野進学セミナー武蔵小金井教室の川原です。
歴史のイメージをつけるために、
学習漫画の読書がよく推奨されます。
わたし自身は、
日本史の概観を得るために、
高校生向けで本格派なものとして、
石ノ森章太郎『マンガ日本の歴史』全55冊をおすすめしています。
さらに実況中継的なものを読破して、
用語集的なものもこつこつ読んで、
藤原氏の全盛はわかる、平家物語はわかる、南北朝もわかる、戦国時代や幕末もわかる、
それでも埋められない歴史の間隙部分のイメージをつけたい生徒向けには、
歴史小説をすすめます。
小説ですから、虚構を含みますが、
血の通ったイメージを持つことができると思います。
さしあたって、
「すきま」を埋めるための以下の5冊を独断と偏見で挙げてみたいと思います。
井上靖『額田王』
額田王と、中大兄皇子・大海人皇子が共に生きた時代の空気を味わえます。
永井路子『美貌の女帝』
持統・元明・元正の3女帝を中心として、聖武天皇に至るまでの、蘇我の血筋と藤原家との葛藤が主題。
梓澤要『捨ててこそ空也』
市聖空也が活躍した当時の時代状況をうかがえます。
空也と平将門の邂逅、というドラマチックな虚構が楽しめます。
高橋克彦『炎立つ』
前九年・後三年の役、奥州藤原氏の勃興と滅亡。
新田次郎『怒る富士』
富士山宝永噴火と、被災地復興に絡んだ同時代の権力闘争。
柳沢吉保による側用人政治、荻原重秀と新井白石の対立。
参考にしてみてください。