高校授業料無償化制度
今日は武蔵境教室として書くことにする沼尻です。
2010年の民主党政権が目玉の一つとした政策が「公立高校の無償化」でした。
それ以降、月額9,900円を限度として年間118,800円まで支給される(といっても家庭にお金がくるわけではなく、学校に支払われます)ことになりました。
2014年からは所得制限がかかるようになり、「市町村 民税所得割額」が304,200円(年収910万円程度)未満の世帯 に限定されるようになった一方で、私立高校も対象となり同額が支給されるようになりました。
ところが、今年の1月に驚きのニュースが飛び込んできました。
東京都の小池百合子知事が、教育機会の平等化のため私立高校の授業料の実質無償化を発表たのです。
目安となる世帯年収は760万円未満(夫婦と子供2人のモデル世帯の場合)で、対象の生徒は約51,000人ということです。
この条件を満たせば、年間授業料の平均額にあたる442,000円を上限に国と合わせて支給されます。
ちなみに、760~910万未満の家庭には、昨年までと同額が支給されることになります。
当然、教育界には大きな波紋が広がりました。
私立高校側は基本的に大賛成です。基本的にというのは、この制度の対象者は東京都在住の生徒だけなので、埼玉や千葉から通っている生徒は対象にならず不公平であるという意見があるからです。
一方の都立は、せっかくここまで復権を遂げてきたのに生徒数が減るのではないかという危機感をもっているようです。
施設や学校設備、教育体制で都立よりも有利と言われる私立に生徒を奪われてしまうのではないかと考えているわけですね。
さらに加えて、中学受験にまで話が広がります。
現在、私立中学を受験する親の平均世帯年収は800万と言われていますが、高校3年間が無償になるとわかっていれば、もっと年収が低い層もチャレンジさせるのではないかという分析があります。
なぜなら、都立復権とはいえ、やはり国公立や早慶上理レベルの多数は私立中高一貫校がしめていることは、東大合格者数を見るまでもなく明らかであり、条件が許せば私立中学受験を考えてみようと思う層は確実にいるからです。
高校入試でも、昨年の入試制度改革によって男子が学校の成績をとれないために私立に行く…という傾向が昨年は顕著にありました。
今年はその反動で受験率は戻りましたが、来年はまた私立の受験率が上がるかもしれません。
みなさんも、私立高校を視野に入れるてみてはどうでしょうか。