コスモポリタンはピンク色
こんにちは。
新川教室の𠮷田です。
『ドライブ・マイ・カー』を観ました。
今年のアカデミー賞で「国際長編映画賞」に輝いた、濱口竜介監督の作品です。
原作は村上春樹の短編小説(同タイトル)であり、
日本映画史上初となる “作品賞ノミネート作品” ということもあって、
期待に胸をパンパンに膨らませて劇場へと向かった結果、
なぜか30分も遅刻してしまいました。
それでも作品鑑賞にさほど影響が出なかったのは、
おそらく最初の10分ほどがCMであったこと、
そしてまた何より、この作品がほぼ3時間(正確には2時間59分)という長尺であったからに他なりません。
これほどの長尺作品となると、はて、、、
記憶にある中では、岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2時間59分。なんとピタリ賞!)くらいですかね。
原作はわずか50ページの短編ですから、
そこから得た着想をいかに監督の濱口竜介が独自に押し広げたかが窺えます。
作中で最も濱口監督のオリジナリティが発揮されていたのは、
チェーホフ作の戯曲『ヴァーニャ伯父』(ワーニャおじさん)の上演スタイルです。
集まったキャストは多国籍なメンバーで、
日本人、台湾人、韓国人、ドイツ人、フィリピン人……
それらの俳優たちが、それぞれのネイティブランゲージのまま(韓国人はなんと手話!)、
ロシア人劇作家チェーホフの舞台をプラットフォームとして1つの作品を創り上げるその様は、
まさにグローバリズムの縮図であり、
さながらコスモポリタリズムの体現とも見ることができ、
これから先の “あるべき世界の姿“ を垣間見る思いでした。
遅かれ早かれ、やがて世界は1つになるーー
僕は確信しています。
だからね、うん、
いいかげん、戦争なんかしてる場合じゃないのです。