0除算 part1
こんにちは。新川教室の佐々木のぶです。
先週から新たなテーマ:数学って自由だ!
をお送りしております。
数学は公理と呼ばれるルールを守れば、そこから合理的に導かれる結果については
誰も(数学的な)文句は言いません。
合理的であればやりたい事は何でもやれます。
ただ公理を守った結果、そのルール内で 「できない事はどうしてもできない」 という事もありえます。
その(人類レベル的)代表選手が0除算になります。
何かを0で割るという事は原理的にできないのです。
3 ÷ 0
とか
0 ÷ 0
とか
です。
0除算には2種類ありまして、0以外の数を0で割るのと、0を0で割るのと、です。
なぜ0除算はできないのでしょうか??
まず除算できる例を見てみましょう。
6 ÷ 3 = 2
できました。
割り算は代数的にはかけ算(と逆数)があれば定義できます。
6 ÷ 3 = 2
の確かめ算をしてみると
2 × 3 = 6
となります。
0除算で確かめ算をするとどうなるでしょうか。
まず0除算の1個めのパターンを見てみましょう。
3 ÷ 0の答えが仮に0と考えちゃったとしましょう。
3 ÷ 0 = 0
これの確かめ算を形式的にやってみると・・・
0 × 0 = 3
となって錬金術が完成します。
答えを0じゃないものにしても同じです。
これはどう考えてもおかしいですよね。
1個めのパターンは ‘不能’ と呼ばれます。
続いて2個めのパターン 0を0で割る事を考えてみましょう。
仮に答えが0になるとしましょう。
0 ÷ 0 = 0
これの確かめ算は、というと
0 × 0 = 0
となります。
これだけ見ると矛盾がないように見えますね。
実際確かめ算には矛盾はありません。
では答えが0じゃなくて例えば1だったらどうでしょうか。
0 ÷ 0 = 1
確かめ算は
1 × 0 = 0
となります。
やはりこちらの確かめ算も矛盾はありません。
という事は0 ÷ 0の答えは0でも1でも100でも何でもいいという事になります。
2個めのパターンは ‘不定’ と呼ばれます。
どちらにしても0除算はできないという事になってしまいました。
残念です。。
0除算ができないせいで、物理の世界では色々と苦労があるようです。
専門ではないのでよく分かりませんが ブラックホールの特異点 と呼ばれるものは
多分、恐らく、きっと、0除算が絡んでるでしょうし、
素粒子の大きさを理論的に0としてしまうと0除算が出てきた瞬間に無理となってしまうので
最近の物理では素粒子をひもと捉えて計算しているようです。超ひも理論
0除算なんとかならないものでしょうか・・・
続きは来週!
とか勢いよくいっちゃうと、0除算 なんとかなっちゃうと思ってしまうかもしれないので
結論を言っておくと今のところなんとかなっていないようです。
そもそもなんとかしようとしているのか よく知りません。
来週はなんとかしようとした例について書いてみようかと思います。
ではまたー
のぶ