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言葉に敏感になること

田無教室

こんにちは。武蔵野進学セミナー田無教室です。

今日は近隣の小学校の卒業式でした。

正装に身を包んだ六年生、ドレスアップした保護者の方々が校門でお写真を撮る姿を横目に、

なんだか私まで嬉しい気持ちになりながら通勤して参りました。

遅ればせながら卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。

大きな希望を胸に、新しい環境でも頑張ってくださいね。

 

さて、タイトルの『言葉に敏感になる』に話を移したいと思います。

国語担当として指導にあたっていて近頃心配していることは、生徒達の知っている語彙、正しく使える語彙が

年々減っているということです。

「黙とう」を知らない子や、「向上心」を知らない子、「間延び」を知らない子…

 

塾は知らないことを学ぶ場なので、知らないということは大した問題ではありません。

しかし、新しい言葉を教えても、

「ふーん」「知らないし…」「そんな言葉つかわなくない?」というような返事が返ってくることもあるので、

「ああ、もったいないな…」と思うのが正直なところです。

もちろん「難しい言葉なんて堅苦しいし、面倒だし、使わないからすぐ忘れてしまうから興味ない!」

という気持ちもわかります。私も学生時代そうでした。

でも「知らない」「わからない」で新しい知識をブロックしていてはもったいないと思うのです。

知識は学力向上の手助けをするだけではなく、

心を豊かにしなやかにしてくれるものです。

そしてこの「心を豊かにしなやかにする」という部分に、学ぶことの真のすばらしさが見出せると思うのです。

 

例えば、今朝は少し曇っていたのを覚えていらっしゃいますか?

この時期に空が薄く曇ることを「花曇り」といいます。

お昼過ぎからは暖かい春の日差しが私たちを包んでくれています。

この春の日差しのことを「春陽」と呼びます。

そして同じ「しゅんよう」という読みでも、「春容」と表記をすると「春の景色」という意味に変化します。

花の咲くころ、一時的に寒さが戻ることを「花冷え」、春ののどかな気持ちのことを「春意」といいます。

 

この言葉の豊富さに日本らしい美しさがあると思います。

 

今はまだその美しさや素晴らしさがわからなくてもいいと思います。

お友達と話をするときに、「春意だね」なんて無理に使おうとしなくてもいいんですよ。

そしてお友達と楽しくコミュニケーションをとる中で、「ヤバイ」とか「マジ」とか

そういう言葉を使うな!だなんてそんなことは思いません。

 

でも、たまにでいいから思い出してほしいのです。

一人で歩く通学路、ふと空を見上げた時などに、これらの日本らしい言葉を思い出すだけで

心が豊かになると思うのです。

 

「知らない」「わからない」で新しい言葉を突っぱねず、

たとえ普段使わなかったとしても、薄らぼんやり心に留めておく。

それが言葉に敏感になる初めの一歩だと思います。

 

言葉に敏感になってから見える景色は、きっといつもより鮮やかに見えると思いますよ。

 

 

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