時が移れば
普段数学を教えておりますと、時代の移り変わりとともに、もはや問題文中に使えなくなってきていると感じる言葉があります。その多くは共通認識がなくなってきている言葉です。例えば「トランプの絵札」とあって「J,Q,Kのことである」と全員が理解できるわけではありません。今の子はトランプはあまりやらないみたいですね。
そんな中、先日の授業でやった「毎年初めに一定額ずつ積み立てて、10年後に100万円にしたい。年利率6%、1年ごとの複利のとき、少なくともいくらずつ積み立てればよいか。」という問題。
「複利」という言葉の意味を理解している高校生はいたためしがないので説明しようとしたところ、『年利率6%』の意味を質問されました。「100万円を預けると1年後には106万円になることだよ」と答えたところ、『えつ!銀行にお金を預けると増えるんですか』と驚かれました。
それを聞いた私も驚きましたが、考えてみれば、100万円を1年預けて100万20円という昨今、昔のように「※億円預けておけば利息だけで生活できる」のような景気の良い話も耳に入るわけではなく、生徒の驚きも当然であると思うようになりました。
この有名問題も今となってはお蔵入りですかね。キャッシュレス時代のこれから、『100円硬貨1枚、50円硬貨2枚、10円硬貨4枚で支払うことのできる金額は何通りあるか。』というような問題も「先生。この問題意味わかりません!」ということになるんですかね。