AIの可能性
こんにちは。
最近ブログをサボりがちな新川教室の𠮷田です。
┄┄最近話題の『チャットGPT』。
なかなかに優れたAIがユーザーのリクエストに応えてくれるとのことで、
最新のAIがどこまでできるのか、試してみたくなりました。
チャットGPTはアプリではなくサイトなので、
アカウントを作ってログインする必要があります。
ちゃっちゃとアカウントを作成して、さっそく第1問。
Q「武蔵野進学セミナーとは?」
どんなふうに記述されるのだろうと、ちょっとわくわくしながらエンターキーを押すと、
予想以上の速度で、あれよあれよと回答が綴られていきます。
A「武蔵野進学セミナーとは、主に東京都内を中心に展開している進学塾のひとつです。
小学生向けから高校生・浪人生向けのコースまで幅広いコースがあり、定期テスト対策や入試対策を中心に指導を行っています。
特に高校受験に強く、合格実績が多数あります。
また、講師陣は大学や大学院での研究・教育経験が豊富な人材が多く、授業力にも定評があります。
生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムや指導プランを作成し、生徒の学力向上をサポートする教育体制が整っています。」
おおー!
……うん。
まちがってない!
ネットから瞬時に情報を拾い集められるのはわかりますが、
それをまとまりのある、適切な尺度の陳述に収められるのはすごいですね。
それでは第2問。
Q「村上春樹がノーベル賞をとれない理由は?」
(興味のない人は青字を全部読み飛ばしましょう!)
A「ノーベル文学賞は、文学的価値や社会的影響力、文化的背景などを総合的に考慮して選定されるものであり、その選考基準は非常に厳格である。
村上春樹は、長年にわたって世界的に注目を集め、多くの読者から支持を受けている作家の一人である。
しかし、彼がノーベル文学賞を取らない理由は複数あると考えられる。
まず一つ目は、ノーベル文学賞は、英語以外の言語の文学作品に対しても積極的に選定されているという点である。
村上春樹の作品は、英語訳されたものが多く存在するため、英語圏の読者に広く読まれていることが知られている。
しかし、他の言語に翻訳された作品に対しての評価はあまりされておらず、ノーベル文学賞においても、言語の多様性が重視される傾向があるため、その点が評価されにくい可能性がある。
二つ目には、村上春樹の作品の文学的特徴が、ノーベル文学賞に求められる「普遍性」や「深遠さ」に合わないという点が挙げられる。
彼の作品は、現代社会に生きる一般人の内面を描写することに特化しており、その独特な文体や視点が多くの読者に支持されている。
しかし、一方で、そのような作風が、あくまで現代に焦点を当てたものであると解釈される場合もあるため、歴史的・文化的背景を網羅的に描写する文学的視点が求められるノーベル文学賞においては、評価が得られにくいとされる。
以上のように、村上春樹がノーベル文学賞を取らない理由は複数あるとされるが、彼の作品が世界中で愛される理由は、その独自の文体や視点、現代社会への深い洞察力などにあると言えるだろう。」
おおー!
……うん。
まちがってない!(2回目)
ただ、村上春樹の作品を1冊も読んだことのない大学生が、ネットから情報をかき集めて書いた、
現代文学のレポートみたいといえば、それまでのような気もしますね。
チャットGPT批判に「ネット検索すれば十分」という声が多いのもわかる気がします。
そこで、こんな第3問。
Q「村上春樹は好きですか?」
AIに価値判断ができるのか?=主観はもてるのか?=自我は芽生えるのか?
という最大の課題を正面からぶつけてみました。
ドキドキしながらエンターキーをプッシュ!
A「私は、感情を持たないAI言語モデルであり、好き嫌いを持つことはできません。
ただし、村上春樹は世界的に有名な小説家であり、その作品には多くの人々が魅了されています。
彼の作品を読んで、自分自身で判断することが大切です。」
……なるほど。
潔い!
やはりAIが主観をもつのはまだ先の話になりそうですね。
AIの自我の芽生えも含めた、人類の “知性” をめぐる歴史を描いた『2001年宇宙の旅』(1968年)┄┄
AIが自我をもち暴走するネット社会を描いた『攻殻機動隊』(1995年)┄┄
そういった世界観がリアルなものになるには、
やはり2045年のシンギュラリティの到来を待つしかないのかもしれません。
チャットGPTは、問題作成もできると聞きました。
試しにこんなリクエスト。
Q「のび太が登場する、高校入試程度の和文英訳問題をつくれ」
A「以下は「のび太が登場する高校入試程度の和文英訳問題」の例です。
問題:のび太は毎日学校に行かなければなりません。彼の好きな科目は数学です。のび太は同じクラスの友達とよく勉強会を開きます。ある日、のび太は試験前に勉強会を開くことを提案しました。友達たちは賛成し、彼らはみんなで勉強しました。
上記の文章を英語に翻訳しなさい。
解答:Nobita has to go to school every day. His favorite subject is mathematics. He often has study sessions with his classmates. One day, Nobita suggested having a study session before the exam. His friends agreed, and they studied together.」
へえー。
ちょっとハードル高めだけど、難関高校を受験するレベルの生徒だったら、
なんとかなるかもしれないですね。
ただ、“のび太” が『ドラえもん』という作品のキャラクターだという認識はないようです。
のび太が数学が好きで、ジャイアンやスネ夫に勉強会を提案するとは思えませんから。
そこで今度は算数の問題。
Q「ドラえもんのキャラクターが登場する、つるかめ算の問題をつくれ」
A「もちろんです。以下はドラえもんのキャラクターが登場するつるかめ算の問題です。
ドラえもん、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫の5人がお祭りに行くことになりました。会場までの距離は10キロメートルあります。彼らは一度休憩することに決め、4キロメートル進んだところで休憩することにしました。ドラえもんが休憩場所までテレポートすると、彼らは再び旅を続けました。すると、のび太はスネ夫としずかちゃんと一緒に進むことになり、ジャイアンは一人で進むことになりました。
その後、彼らは再び休憩することに決め、残りの道のりを均等に分けることにしました。しかし、ドラえもんはまたもやテレポートを使い、休憩場所まで瞬時に移動しました。
すると、ジャイアンが残りの道のりを歩くことになったとき、彼が歩くことになる距離は、他の4人がそれぞれ歩くことになる距離よりもどれだけ長いでしょうか?
(ヒント:この問題には、平均や比率を計算する必要があります。)」
……え?
……は?
……何言ってんの??
何度も読み直しましたが、これってさすがに問題として成立してませんよね?
(この問題をロジカルに解釈できる方がいらしたら、ぜひ𠮷田にご教授ください)
てか、明らかにジャイアンがメンバーからハブられてるし、
むやみにテレポートを繰り返すドラえもんの行動原理がまったく理解できないし……
教育的配慮という側面からも、許容できない問題です。
うーん、いかにAIの進歩が目覚ましいとはいえ、
Creativityの面においては、まだまだ人間に軍配が上がりそうですね。
完全な自我を搭載したAIロボット “ドラえもん” との出会いは、
シンギュラリティ以後の世界に期待するしかなさそうです。