2023年度 都立入試分析 数学
2023年 都立入試について(数学科)
こんにちは。
武蔵野進学セミナーです。
2023年度入試数学についての入試分析を報告いたします。
◆全体として
今回のテストは共通上位を目指す生徒にとっては
例年どおり 4⃣〔問2〕②、5⃣〔問2〕以外を取り切って90点を目指すというものでした。
都立中堅校を目指す生徒にとっては、 1⃣〔問9〕、2⃣〔問1〕、3⃣〔問2〕、5⃣〔問1〕
など中途半端に難しい問題が多かったため、昨年に比べ難化したと思われます。
例年のムサシン生との比較から、都立全体平均点は56点くらいになると思われます。
◆問題別分析
1⃣〔問1〕過去2年間は負の数の2乗であったが、今回は正の数の2乗だったのでやや易化。
〔問2〕過去2年間は右の分母が左の分母の倍数であったが、今回はそうではないのでやや易化。
〔問3〕昨年同様。しかし年によっては有理化が必要な場合がある。
〔問9〕例年に比べ、点Pがどこにあるかがわかりにくい傾向。
全問正解が理想であるが、〔問7〕〔問9〕の取りこぼしが予想される。
2⃣〔問1〕例年ならば頑張って取るべき問題だが、今回は分からない生徒にとっては頑張りようがない問題。
〔問2〕典型問題。苦手な生徒が多いが、しっかり練習して得点すべき。
3⃣〔問2〕例年より難しいが、都立にしては珍しくH24年の類似問題。
〔問3〕昨年と同程度の難易度、平年よりは簡単。上位層にとっては合否を分ける問題のうちの1つ。
4⃣〔問1〕例年より少し難しいが、中下位の生徒も頑張って得点するべき。
〔問2〕①証明問題としては最も簡単な部類の問題
②95点以上必要な生徒以外は解けなくてよい。典型問題ではあるが、これを解けるようにするためには結構な量のトレーニングが必要。
5⃣〔問1〕例年に比べ難しい。上位層向けの問題
〔問2〕都立にしては珍しくテクニカルな問題。私立最上位を受験する生徒にとっては典型問題であるが、都立共通問題を受ける層では習っていないと思う
◆都立共通問題の特徴について
大問1 | 小問集合…計算、作図等 |
大問2 | 式による説明の問題…レポートの読み取り、証明 |
大問3 | 関数…1次関数と放物線が隔年に出題される傾向 |
大問4 | 平面図形…角度、合同・相似の証明、求積問題等 |
大問5 | 立体図形…三平方の定理を用いた長さ・体積などを求める問題 |
・正解しづらい問題は次の4題です。
大問2(2)7点…年によりやや難問が出ますが。上位には解ける問題が多いです。
大問3(3)5点…計算が複雑な問題が多いです。上位は頑張って解いてほしいところ。
大問4(2)②5点…一番難問が出る可能性が高いところです。あきらめても良いかもしれません。
大問5(2)5点…大問4程ではありませんが、立体のトレーニングはあまりしないので、生徒にとっては解きにくいです。
◆新分野について
・このように毎年決まった形で出題される都立の入試問題ですが、数学科が気になっているのがデータに関する新分野です。
次回は大問1の(7)でデータ分野が出題される可能性が高い年であるので注意が必要です。
また、昨今のデータ分野の重要性の高まりを考えれば、大問2あたりがそっくりデータ分野の問題に変わることも考えられ、非常に気になるところです。
以上、武蔵野進学セミナー数学科からの報告でした。